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出没注意
2002/10/31

まだ里山にはチラホラ雪が残っています。上流はまだ雪深いでしょう。雪中行軍は釣りになりませんよね。里川をゆっくりと釣りましょうか。シジュウカラですかね。「ツィーピ ツィーピ」 中洲の川原柳に騒がしく群れていますよ。シジュウカラがこんなに群れるなんて、この時期くらいでしょうか。「もうすぐ暖かくなるぞ」って山も川もワクワクしているようです。雪融けが始まった茂沢は騒がしくも楽しい里川なんです。この頃はブッシュも無く、フライも振れますよ。

「う〜ん、毛鉤じゃ無理だわなぁ」師匠、クドチャンの独り言。
「そんな大っけぇ声の独り言、聞こえてんだけどなぁ・・・」
でも試してみたいのが「毛鉤屋たけぱん」。鉤は24番。胴は孔雀、羽はグリズリー。しかもフライタックル。アレ?夏と変わらないじゃん。鉤とタックルが変わっただけなんじゃない?そうなんです。夏の毛鉤を小さくしただけなんです。でもね、私なりの考えはあるんですよ。

フライの場合、早期はミッジですね。今日の鉤は24番、充分ミッジです。この時期のフライは蜻蛉の幼虫を模している毛鉤が多いですね。今日の毛鉤は羽が短く、沈めて使います。これは立派な蜻蛉の幼虫です・・・の筈です。クドチャンの仕掛けは、相変わらず提灯仕掛けに自家製のキジ。キジを養殖してるんですよ、この人。一年中何所の川でもこの仕掛けなんです。拘りもここまで徹底すれば立派ですよね。

・・・ロッドは6'6"#2。6X12ft.のティペットの先では、鱒達を興奮させるには充分なミッジが、まだ肌寒い春風と戯れていた。嘗て彼と出会った鱒達がそうであったように、この流れに身を隠す鱒達も本能を揺す振られ彼のミッジに襲いかかって来るに違いない。ランディング・ネットは静かにその時を待っていた。・・・なんちゃって。そう、自分はイエローストーンを歩く伝説のバックパッカーだと信じ込み、フライを振るんです。しかし、現実はキビシイですね。山女魚は毛鉤には見向きもせず、キジを貪っていますよ。やっぱりこの時期は餌釣りですかねぇ。家に帰ったら、クドチャンの自慢話と私の言い訳話を肴に一杯やりますか。

重そうな魚篭を腰に提げて、クドチャンが近づいてきましたね。おや?なんだか様子が変ですよ。
「おい、あれ見てみ」
「何だぁ?」
100m程先の山裾に大小の黒い玉。なにやらモゾモゾ動いていますよ。
「ありゃぁ、熊だねぇか?」「おう」
「親子だなぁ」「たぶんな」
「・・・・」「・・・・」
まずいですよ。二人とも固まっちゃってます。
「戻らず」「おう」
私達から見えるんだから、向うからも私達が見える。確か、熊は目が悪かったような。鼻が利くって聞いたことがある。今、風向きはどっちなんだ?・・・頭の中を駆け巡りながら、何とか無事にクドチャンのジープに辿り着きましたよ。車に乗って、まずは一服。何故か無言の一服です。長い沈黙を破ったのはクドチャンです。
「こんなジープの幌なん、一発で破られちまうわなぁ」
私が「そりゃ、そうだ」と言いかけた時、もうジープは走り出していましたよ。

夏には近所の年寄りが草刈をするような、秋にはカミサンがキノコ採りをするような、そんな里山ですよ。そんな所にまで熊が降りてきてるんですね。山は餌が少なくなっているんですかねぇ。

もう少し上ると岩魚の沢があるんです。ご一緒しませんか?仕掛けは用意しておきますよ。